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建築設備空調換気設備

空調設備の熱源設備の概要について解説!

建築設備

こんにちは、設備の南です。

この記事では空調設備の熱源設備の概要について解説します。

空調設備全般の概要についてはこちらに記載しています。

空調設備の概要について解説

空調設備の熱源設備とは?

空調設備の熱源設備とは、空調設備が室内の空気を冷却又は加熱する際に必要となる熱の媒体を生み出す設備です。

熱の媒体は、冷水、温水、蒸気などがあります。

熱源設備の種類

主な熱源設備の種類は以下のとおりです。

  1. 冷凍機
  2. 冷温水機
  3. ボイラ
  4. 地域冷暖房

それぞれについて解説します。

1.冷凍機

冷凍機は冷却の熱源を生み出す装置です。

圧縮式と吸収式の2タイプあります。

圧縮式は、装置内の冷媒について

  1. 圧縮
    冷媒の状態変化:低温・低圧の蒸気 → 高温・高圧の蒸気
  2. 凝縮
    冷媒の状態変化:高温・高圧の蒸気 → 常温・高圧の液
  3. 膨張
    冷媒の状態変化:常温・高圧の液 → 低温・低圧の液
  4. 蒸発
    冷媒の状態変化:低温・低圧の液 → 低温・低圧の蒸気
    ※液→蒸気の状態変化の際に冷媒が熱を吸収(冷却)する

のサイクルを繰り返し冷却に使う熱源を生み出します。

圧縮を行う圧縮機は、レシプロ式、ターボ式などがあります。

吸収式は、冷媒に水と吸収液(リチウムブロマイド)を用いて

  1. 蒸発
    冷媒の状態変化:水のみ 液 → 蒸気
    ※液→蒸気の状態変化の際に冷媒が熱を吸収(冷却)する
  2. 吸収
    冷媒の状態変化:蒸気(水のみ) → 液(水と吸収液)
  3. 再生(分離)
    冷媒の状態変化:液(水と吸収液) → 蒸気(水のみ)+液(吸収液のみ)
  4. 凝縮
    冷媒の状態変化:水のみ 蒸気 → 液

のサイクルを繰り返し冷却に使う熱源を生み出します。

吸収式には、直焚式や蒸気式などの種類があります。

2.冷温水機

冷温水機は冷却と加熱の熱源を生み出す装置です。

圧縮式と吸収式の2タイプがあります。

圧縮式は、圧縮式冷凍機と同じ圧縮→凝縮→膨張→蒸発のサイクルで冷却と加熱の熱源を生み出します。

冷却の場合は、蒸発の過程で冷媒の気化熱を利用して熱を吸収することで冷却します。

加熱の場合は、凝縮の過程で冷媒の凝縮熱を利用して熱を放出することで加熱します。

吸収式は、吸収式冷凍機と同じ蒸発→吸収→再生(分離)→凝縮のサイクルで冷却と加熱の熱源を生み出します。

冷却の場合は、蒸発の過程で冷媒の気化熱を利用して熱を吸収することで冷却します。

加熱の場合は、凝縮の過程で冷媒の凝縮熱を利用して熱を放出することで加熱します。

3.ボイラ

ボイラは加熱の熱源を生み出す装置です。

水を加熱し、加熱の熱源となる蒸気や温水をつくります。

構造や燃料の違いによりいくつも種類があります。

4.地域冷暖房

通常、熱源設備は各建物内に設置されていますが、地域冷暖房は熱源設備を集中設置した建物(熱源プラント)から対象地域内の建物に熱源となる冷水、温水、蒸気を供給するシステムです。

地域冷暖房は、省エネルギー効果や省スペース効果があると言われています。

最後に

この記事では熱源設備の概要について解説しました。

熱源設備は、冷房や暖房の熱源となるため室内の温度環境を維持する上で非常に重要な設備です。

また、熱源設備の消費するエネルギーは建物の用途によりますが、建物全体の消費エネルギーの3割ほどを占めていると言われており、省エネ化においても重要な設備です。


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