こんにちは、設備の南です。
この記事では給水方式について解説します。
給水方式の種類と特徴
水道管から蛇口など利用者の基に上水を届ける給水方式は大きく分けて以下の2方式があります。
- 直結給水方式
- 受水槽方式
それぞれについて解説します。
水道直結方式
水道管から直接水を届ける給水方式です。
水道管の圧力のみを利用する方式やポンプなどで増圧する方式があります。
水道直結直圧方式
水道管の圧力のみを利用する給水方式です。
一般的には3階建てまでの建物に適用可能です。
季節や時間帯での水道管の圧力変動や地域による圧力差には注意が必要です。
また、短時間での水道使用量が大量である建物や薬品などを扱う施設など、水道直結直圧方式が適用できない建物もあります。
水道直結増圧方式
水道管からの引込配管に増圧ポンプを設置し、水道管の圧力に増圧ポンプの圧力を加えて給水する方式です。
増圧分、水道直結直圧方式より高い建物に適用可能です。
水道直結直圧方式と異なり、
- 水道管が負圧時に建物側の水が逆流するのを防止する対策
- 停電時や故障時などポンプ停止への対策
- ポンプの定期的なメンテナンス
が必要となります。
受水槽方式
水道管からの水を一旦受水槽へ貯水し、受水槽から給水をする方式です。
受水槽の設置位置や受水槽周りの装置により更に方式が分かれます。
水道管と給水先の間に受水槽を設置することで、水道管と縁切りできるため
- 水の使用量や変動が大きい場合でも受水槽の水で対応するため水道管への影響がない
- 建物内の水の逆流で水道管へ汚れた水などが逆流しない
といった特徴があります。
一方、受水槽やポンプなどの設備が必要となるため、
- 受水槽の点検、清掃
- 停電時や故障時などポンプ停止への対策
- ポンプの定期的なメンテナンス
- 受水槽やポンプなどを設置するために広いスペース
などが必要です。
設置されている建物が特殊建築物の場合は、建築物環境衛生管理基準により
- 水質の検査、管理
- 受水槽の清掃(年1回)
などが求められています。
詳細は、こちらの厚生労働省HPをご確認ください。
高置水槽方式
建物の屋上に設置した高置水槽から重力による水圧で給水する方式です。
高置水槽への貯水の流れは、
- 水道管からの上水を受水槽に貯水
- 受水槽に貯水した上水をポンプで高置水槽へ揚水
となります。
高置水槽は重力を用いて給水するため、
- 停電時でも高置水槽の貯水分は給水可能
- 水圧が最も低い最上階でも必要水圧を確保できるよう設計が必要
という特徴があります。
圧力水槽方式
圧力タンクを用いて給水をする方式です。
受水槽に貯水された上水をポンプで圧力タンクへ送り、圧力タンクの圧力で給水します。
- 圧力変動が大きい
- 圧力タンクの維持管理が大変
などといった問題があり、採用が少なくなってきています。
ポンプ直送方式
受水槽に貯水した上水をポンプで給水する方式です。
大規模な建物での採用が多くなってきています。
最後に
この記事では、給水方式について解説しました。
給水方式は普段の生活であまり気にしないですが、既述したように様々な方式があります。
住んでいるマンションや職場などの給水方式を確認することで、災害時などにどういう給水トラブルが起こる可能性があるのか知ることができます。