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建築設備空調換気設備

空気環境の概要について解説

建築設備

こんにちは、設備の南です。

この記事では空気環境の概要について解説します。

空調設備全般の概要についてはこちらに記載しています。

空調設備の概要について解説

空気環境とは?

空気環境とは、空気調和の4要素「温度」「湿度」「清浄度」「気流分布」で作り出される空気の状態を言います。

空気は常に私たちの周りに存在しており、空気環境により私たち人の健康はもちろん仕事や勉強の作業効率などにも大きく影響します。

人だけではなく工場内の製品の品質や倉庫内の貯蔵品の維持管理などにとっても重要です。

そのため、ビルや工場などでは快適な空気環境を維持するために空気調和設備を動かし建物内の空気環境をコントロールしています。

空気環境と法令

既述のとおり空気環境の維持は非常に重要です。

そのため、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律(以降、建築物衛生法)」にて、多くの人が利用する一定規模の建築物においては環境衛生上配慮が必要と定められています。

環境衛生上配慮とは、適切に維持管理することでありその基準として建築物衛生法では次のとおりに定めています。

第二章 特定建築物等の維持管理

(建築物環境衛生管理基準)

第四条 特定建築物の所有者、占有者その他の者で当該特定建築物の維持管理について権原を有するものは、政令で定める基準(以下「建築物環境衛生管理基準」という。)に従つて当該特定建築物の維持管理をしなければならない。

2 建築物環境衛生管理基準は、空気環境の調整、給水及び排水の管理、清掃、ねずみ、昆虫等の防除その他環境衛生上良好な状態を維持するのに必要な措置について定めるものとする。

3 特定建築物以外の建築物で多数の者が使用し、又は利用するものの所有者、占有者その他の者で当該建築物の維持管理について権原を有するものは、建築物環境衛生管理基準に従つて当該建築物の維持管理をするように努めなければならない。

引用元:建築物における衛生的環境の確保に関する法律

この「建築物環境衛生管理基準」が空気環境を維持管理する上で最低限満足させなければならない基準となっており、維持管理項目の一つに「空気環境」があります。

空気環境を維持管理するために計測する項目と基準を以下のとおり定めています。

  1. 浮遊粉じんの量
    清浄度に関わる項目
    基準:0.15mg/m3以下
  2. 一酸化炭素の含有率
    清浄度に関わる項目
    燃料の不完全燃焼により発生する。吸引により中毒症状を起こす。
    基準:100万分の6以下(6ppm以下)
  3. 二酸化炭素の含有率
    清浄度に関わる項目
    基準:100万分の1000以下(1000ppm以下)
  4. 温度
    温度に関わる項目
    基準:18℃以上28℃以下
  5. 相対湿度
    湿度に関わる項目
    基準:40%以上70%以下
  6. 気流
    気流分布に関わる項目
    基準:0.5m/秒以下
  7. ホルムアルデヒドの量
    清浄度に関わる項目
    基準:0.1mg/m3以下(=0.08ppm以下)

二酸化炭素については新型コロナウイルス感染症の際、計測器を使っている飲食店がニュースで紹介されており聞いた方もいるかと思います。

二酸化炭素の含有量が多い空気は汚れているため、空気の清浄度を測る基準の一つとなっています。

これらの項目について2か月に1回空気環境測定を行い、基準を満足していることを確認します。

そのほか具体的な内容は、厚生労働省HPの建築物環境衛生管理基準についてをご確認ください。

最後に

この記事では空気環境の概要について解説しました。

空気は常に周りに存在しており、身近な存在であるが故にその状態変化は大きな影響があります。

とある自治体で夏場の冷房温度を通常より少し下げることで、業務効率が向上したというニュースを聞いた方もいらっしゃるかと思います。

空気環境が健康だけでなく作業のパフォーマンスにも影響を与えていることがわかる一つの事例と言えます。

環境問題対策の重要性が増す一方で、ウェルビーイングの観点から人が快適に過ごす空気環境を維持することも大切と考えられており、従来より更に高度な空気管理が求められています。


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